2022年秋にアメリカの首都 ワシントンD.C.*の観光に行きました。休みの都合もあり、45時間しか滞在時間がありませんでした。
それでも大満足。とってもよかったので紹介したいと思います。
自家用車での旅行です。地下鉄やバスは使わず近くの駐車場に停めながら観光しました。
*ワシントンD.C.の正式名称はワシントン・コロンビア特別地区です。州ではありません。
アメリカ合衆国には50州・1特別区があります。アメリカの星条旗の星の数はこの州の数と同じ50、横線は独立時の州の数と同じ13です。
1日目 記念碑・建物めぐり
わが家からワシントンD.C.まで車で9時間以上かかります。途中で1泊しながらナショナルモール*の近くに到着したのが午後1時半過ぎです。
夕方までの半日、ナショナルモール内の記念碑や有名な建物を見てまわることにしました。
*リンカーン記念堂やワシントン記念塔といったとても有名な観光地が立ち並んでいるのがナショナルモールです。西端のリンカーン記念堂から東端の国会議事堂まで約3キロ(約2マイル)。東西に伸びた芝生がきれいな広場です。
天気が良く、時間に余裕があるならこのモールを歩きながら色々と観光することが出来ると思います。しかし、この日は小雨が降っていてレインコートを着ての観光になります。
それに時間もあまりないので見たい所の近くの駐車場を探しながら観光します。
リンカーン記念堂
まずは、リンカーン記念堂に行きます。1922年から公開されています。
*リンカーンは16代目大統領です。有名は言葉に、「人民による人民のための政治」があります。
奴隷制の存続を主張する南部の州がアメリカ合衆国から脱退しアメリカ連合国となり、北部のアメリカ合衆国と戦った南北戦争中の大統領であり、1863年に奴隷解放宣言をしました。
近くに路上駐車場所があるのでそこに停めて10分程度歩きます。
駐車料金は所々に建っている支払い機で事前に払い、その時に出てくる紙を車内のダッシュボードの上に乗せて置きます。
記念堂建物近くにガイドセンターのような所があり無料でワシントンD.C.マップをくれました。
リンカーン記念堂から、リフレクティングプール*とワシントン記念塔を見る事ができます。
*リフレクティングプールとは、景観をよくするために作られた池です。この池は長さが約620m (2028フィート)、横幅は約50m(167フィート)もあります。
子供たちの間でもリンカーンは有名です。2月12日のエイブラハム・リンカーンの誕生日前後に学校でリンカーンに関係するぬり絵をしたり工作をしています。
またお金の勉強の際に、1セント硬貨(”ペニー”と呼ばれる事が多いです) にリンカーンの肖像が描かれているので ”ペニーはリンカーン”と丸暗記しています。
そのため、リンカーン記念堂は「知っている!知っている!」と大喜びでした。
観光時間は10分ぐらいでした。見るだけなので早いです。
アメリカ議会図書館
次は、アメリカ議会図書館です。
アメリカ議会図書館の4つの建物のうち、最も古い建物が写真のトーマスジェファーソンビルです。ボザール様式の建物で国定歴史建造物です。
場所はナショナルモールの東端の国会議事堂の東隣です。西端のリンカーン記念堂から、ナショナルモール内の色々な建物を横に見つつ、駐車場を探しつつ移動してきました。
この時は、この図書館の南側の道路に車を停めることが出来ました。
事前に予約をすると建物のエントランス部分の見学ができます。
当日予約などもちろん出来ず見学はできませんでした。
建物の扉の外から中を覗き見ることは出来ました。すごい豪華でした。
図書館の建物の前にネプトゥーヌス噴水があります。ローマのトレビィの泉に着想を得たそうです。
海の神ネプチューン、その息子のトリトン、海の妖精たちの彫刻があり、かなり迫力があります。
男性の人魚、馬イルカ、みんな裸、子供たちのなんで?なんで?がとまりません。
アメリカ合衆国国会議事堂
図書館の西側に アメリカ合衆国国会議事堂があります。
図書館から来ると建物の裏側がすぐに見えます。
国会議事堂のビジターセンターには、この裏側から行きます。事前に予約をすれば館内の見学が出来るようです。
この後、最高裁判所の建物を見に行ったら雨が強くなってきて、だいぶ時間も遅くなってきて、ホワイトハウスの方も行ってみたくて、国会議事堂の前側に行くのを忘れてしまいました。
なので、この裏側を見ただけです。
前側には銅像や池など見どころはたくさんあります。
アメリカ合衆国最高裁判所
図書館の横、国会議事堂の東側にアメリカ合衆国最高裁判所があります。
裁判所の用事がない平日は一般公開されているようです。
ホワイトハウス
1日目の最後はホワイトハウスを見に行きます。
車は、ホワイトハウスの敷地の東側の道路に停めました。たくさんの車が停まっていましたが、2回ぐらい回っているうちに空きを見つけることが出来ました。この時すでに4時。
かなり気になっていたホワイトハウスビジターセンターですが、4時に閉まってしまうため残念ながら行けませんでした。
ホワイトハウスを見るといっても、ただの観光客はずいぶん遠い所から見ることになります。
ホワイトハウスの周りにある芝生の所には入れず、ホワイトハウスの真ん中あたりを横切る道路越しに見ます。写真の真ん中に見えるのがホワイトハウスです。
柵があり、木もあってきれいには見えませんが、それっぽい建物を見ることは出来ました。
すぐ近くに有名なクリスマスツリーになるもみの木がありました。
ワシントン記念塔
1884年に完成したワシントン記念塔はナショナルモールの中央にそびえ立つ白いオベリスク*です。ナショナルモールのどこからでも見る事が出来ます。
写真はリンカーン記念堂から見たものです。
ワシントン記念塔は世界で一番高い石造りのオベリスクです。高さ169mです。
アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンの功績を称えて建てられました。最上階(150m程)まで1分ちょっとのエレベーターでのぼって展望室で景色を見る事が出来ます。事前予約制です。
こういった事前予約がちゃんと出来ない私たちは外から眺めるだけでした。残念。
*オベリスクとは日本語だと方尖塔、神殿などに記念碑として建てられていた串のような高く長くそびえ立つ建物の事をいいます。
お土産屋さん
ホワイトハウスを見終わった後、車に戻る前にホワイトハウスギフトというお土産屋さんに寄りました。ホワイトハウスという名前ですが公式ショップではありません。
ワシントンD.C.に来たよ!ホワイトハウスを見に来たよ!といったわかりやすいお土産を買う事が出来ます。
この後、トレーダージョーで買い物です。
ナショナルモールから北側にすすんでメリーランド州に入ってすぐあたりのTrader Joe'sです。地下駐車場があるビルの2階にありました。さすが、ここは大都会です。
ナビでは30分ちょっとと出ていましたが、道も混んでいて立体交差みたいな所や、環状交差点(ランドアアバウト)などでも苦戦し、1時間近くかかりました。
買い物の後は、お店からすぐのホテルに向かって1日目は終了です。
2日目 博物館・美術館
2日目はスミソニアン*の博物館と国立美術館に行きます。
*The Smithsonian Institution(スミソニアンインスティテュート)は博物館、教育・研究センターといった施設群の総称です。スミソニアン学術教会が運営しており、博物館はすべて無料です。
ホテルを8時頃出発して途中で、ワシントン大聖堂を見ます。
その後、大使館通りをちょっとウロウロして在アメリカ合衆国日本国大使館の前を通りました。
スミソニアン国立自然史博物館には、12th ST NW に車を停めて歩いて行きます。日曜日はこのタイプの駐車場は無料です。博物館までは歩いて15分ぐらいです。
10時前でしたが、ナショナルモールの北側を走る道にはもう停める所がありませでした。
スミソニアン国立自然史博物館
スミソニアンインスティテュートには博物館は20近くあるようですが、その中でも超有名な国立自然史博物館 に行きました。
同じぐらい超有名な国立航空宇宙博物館はこの時は改装中で休館でした。残念。
動物、植物、化石、鉱石、文化的工芸品などそれぞれ色々いっぱいたくさん展示されています。
全部見ようと思うと1日あっても足りないです。
子供の興味のある所だけを見てまわったとしても、のんびりしていたら1日が終わってしまいそうです。
この後、美術館も行きたかったので3時前に見るのは終了。博物館の入口近くにあったお土産屋さんで色々買って3時過ぎに博物館を出ました。
ワシントンナショナルギャラリー
ワシントン・ナショナル・ギャラリーはスミソニアンインスティテュートの仲間ではありませんが、これまた無料の国立美術館です。国立自然史博物館の東隣にあります。
まずは現代美術が多く展示されている東棟にあるカフェでアイスを食べ、正面の道路から見えて気になっていた青い雄鶏を見に行きます。ドイツ人の芸術家カタリーナ・フリッチュが製作したファイバーグラス製の彫刻です。
雨がすごかったのもあり後ろからちらっと見ただけです。
その後いくつか東棟の展示フロアをまわり、写真を撮ったりしていたら4時!美術館が閉まってしまう5時まであと1時間です。
西館のマップを見ると年代、国、絵画や彫刻といったジャンルで展示フロアが紹介されています。
もちろん見どころはココ!のような情報は記載されておらず、見たいなと思っている作品の年代や国まではわかっていない私はどこに行けば良いのかわかりません。そして、時間もぜんぜんありません。
見たい作品の画像を美術館のスタッフに見せてフロア番号を教えてもらいました。
私のように時間も知識も少なめの方は、事前に見たい作品がどこにあるか調べていくと良いと思いました。
ナショナルギャラリーのコレクション紹介ページで気になる作品を見つけ、作品の詳細ページに行くとフロアナンバーがわかります。
なかなか見ることが出来ない15世紀ルネサンス期を代表するイタリアの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。
19世紀印象派を代表するフランスの画家クロード・モネ
19世紀オランダのポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ
19世紀を代表するフランスの彫刻家オーギュスト・ロダン
”考える人*”の銅像です。映画ナイトミュージアム2に出てきた”考える人像”が大きかったので人と同じぐらいのサイズかと思っていましたが高さが72cm程と小さかったです。
*考える人像は、もとは地獄の門という大きな銅像作品の一部です。単独で人気となりこれより大きいもの、小さいものといくつかのサイズが作られました。
銅像は鋳造型を使って鋳造されるので同じものが世界にいくつかあります。日本でも見ることができます。地獄の門もいくつかあり、日本でも見ることができます。地獄の門の鋳造型をつくる時の元となった石膏像がオルセー美術館にあるようです。
19世紀フランスの印象派の画家、彫刻家エドガー・ドガ
小さな踊り子像。高さ1m程の彫刻作品です。蜜蝋で作られた体に本物の髪の毛、布製のリボンやシュシュ(フリフリスカート)をつけ、これらにも蜜蝋をつけて固めています。
これはオリジナル作品です。エドガー・ドガが亡くなったあと鋳造によりいくつかの銅像が作られています。
ナショナルギャラリーには1時間半ぐらいしかいられませんでしたが楽しかったです。
もっと時間があればブラブラ色々見たかったけど。まあしょうがないです。
でも、事前にもっと勉強して見たいフロアを調べるなりして行けばもう少し色々見れたかもと思うとちょっと後悔です。
スパイ博物館
お友達がとっても楽しかったとおすすめしてくれた場所にスパイ博物館(入館料20ドル前後)がありました。
ぜんぜん時間が足りないので行けませんでしたがホームページを見ると本当に楽しそうです。
2日目の夜はナショナルモールの南西の方向にある、ペンタゴンシティあたりのホテルに泊まります。
近くにはアメリカ国防総省の本庁舎ペンタゴンがあります。
施設の周りに撮影禁止の看板をみつけたので写真はなしです。
3日目 記念碑めぐり
3日目は月曜日。いくつか記念碑を見て、昼前には家の方に向かって出発しないといけません。
ペンタゴンシティからポトマック川を渡ってナショナルモールの方へ向かいます。通勤渋滞なのか中心地へ向かう道はとても混んでいました。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑
まずはマーティン・ルーサー・キング・ジュニア*記念碑を見に行きます。2011年に一般公開された記念碑です。かなり新しいです。
平日の朝だからか誰もいません。近くに道路に縦列するタイプの駐車場があったので車はそこに停めました。
*マーティン・ルーサー・キング・ジュニアはキング牧師と呼ばれ、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者でした。
1863年の奴隷解放宣言から100年を記念する大集会で、人種差別の撤廃・人種の協和を求める演説をリンカーン記念堂の前で行いました。この演説の中に ”I have a dream” の有名なフレーズがあります。
この翌年1964年、人種差別を禁止する公民権法が成立しています。
この記念碑がある公園から池をはさんで向かいにジェファソン記念碑が見えます。初日に行ったリンカーン記念堂も近くです。
ジェファーソンの記念碑とリンカーン記念堂を結んだその中間あたりにキング牧師の記念碑があります。これはアメリカ合衆国の公民権に関わる重要な歴史を象徴する意味もあるようです。
ジェファソン記念碑
次はトーマス・ジェファソン記念碑を見にいきます。歩いて15分ぐらいの所に駐車場があります。
建物の周りを工事中のため仮設の通路を通って建物の中に入ります。
建物の中には大きなジェファソン像がたっています。1947年に建てられた銅像です。
この建物の周りに桜の木がたくさんありました。春は絶景にちがいありません。
*トーマス・ジェファーソンは3代目大統領です。1776年のアメリカ独立宣言の起草者のひとりで、アメリカ合衆国の建国の父と呼ばれています。
この独立宣言の前文の中で「全ての人間は平等に造られている」、「生命、自由、幸福の追求」の権利があると宣言されています。先ほど触れたキング牧師の演説では、この独立宣言の前文を言及しています。
合衆国海兵隊記念碑
ワシントンD.C.観光最後は合衆国海兵隊記念碑です。
リンカーン記念堂からポトマック川をはさんだ向こう側に戦没者慰霊墓地アーリントン墓地がありその北側に芝生公園のような所があり、そこに記念碑があります。
公園内に駐車場もありました。静かできれいな所でした。ここもまたぜんぜん人がいませんでした。
第二次世界大戦中の1945年2月23日に日本のほぼ最南端に位置する硫黄島で撮られたピュリツァー賞受賞写真「硫黄島に掲げられた星条旗」をモチーフにした記念碑です。
後で知りましたが、私が撮ったのは銅像の裏側でした。裏からでも立派でした。
この公園内綺麗なトイレもあり、帰宅に向けた準備をして11時前に出発です。
土曜日の1時過ぎに到着して、月曜日の10時半過ぎに出発です。
滞在時間45時間の大満足旅行でした。
あとがき
本当によかったです。
9時間近くかけて行ってもあまりゆっくりできないし行くのがもったいないかなと思っていた時もありましたが
行ってみたら、行ってよかったと思っています。
そこでしか見れないものや感じられない事があります。行動してみることはいいことです♩
ここまで読んでいただきありがとうございます。