定年女子
出版社 : 集英社
発売日 : 2017/7/20
岸本裕紀子(きしもとゆきこ)
1953年生
日本のエッセイスト、評論家。慶応大学法学部卒業。集英社「Non-no」編集部勤務。
女性の人生、働き方に関する著書多数。
著者情報参考:Wikipedia
本書を原案に2017年NHKBSプレミアムでドラマ化されています。NHKプレミアムドラマ定年女子
定年後ってどうなるのかな?仕事はしない?仕事がなくて何をする?お金は?体力的に働ける?定年後が気になってこの本を読みました。
本の説明
会社で働いてきた女性たちの定年退職にまつわる話です。
定年退職後=老後という感じは全くありません。
男性の定年退職からイメージするものとは少し違います。女子の定年話です。
書かれた当時(2015年)60歳前後の女性にインタビューをしています。彼女たちがどんな風に働いてきたか、その会社をリタイア(退職)することで何を感じ、何を考えたか。そして今、何をしているかがとてもよくわかります。
彼女たちの実例をベースに、会社をリタイアした後にどんなことが出来るか、それをするためにはどうしたらいいのかといったアドバイスが書かれています。
例えば、IT関連企業で働いていた女性の話。働けるうちはずっと働いていたいとの思いで、ハローワークで次のフルタイム勤務先を探す。何通も履歴書を書き、週5のパート勤務先が見つかる。
その事例を紹介した後、ハローワークでは、60歳〜65歳でも働き先は見つかるといった話や、履歴書の書き方、新しい働き場所を見つけるためのコツといったアドバイスが続きます。
元雑誌編集長だった女性は定年3年前に退社し、夫婦で同じマンションに住む人たちとのサークル活動という楽しみを見つけている。仕事は精一杯やりきったと遊びを満喫している。
その事例の紹介の後には、地域活動やコミュニティへの参加の仕方、公共の施設やそこが主催したイベント利用することでお金をかけず楽しむアイデアを紹介しています。
新たにバリバリ働ける場所を探す人。仕事はせず楽しみを見つける人。
他にもボランティア活動で充実した生活をおくる人。リタイアという区切りはなくパート勤務を続けている人。
幅広く、様々な生き方、楽しみ方を紹介しています。
凄すぎて自分には無理そうと思うケースもいくつもありますが・・。
きっと、何が一番いい!ということではなくて、みんな違う!色々な生き方がある!そんなもんだし。それでいいし。それぞれの今が満たされていることが大切ということなのです。
リタイア後のお金の話や健康の話にも触れています。そういったことが全く気になっていなかった人には良い気づきになります。
しかし、そんなに詳しくは書かれてはいないので、お金や健康の事が気になって読んでいる方には物足りないかもしれません。
こんな方におすすめ
定年後ってどうなるのかな?仕事はしない?仕事がなくて何をする?何を考えればいい?と漠然と気になっている、不安になっている人におすすめです。
仕事をしたい、趣味を楽しみたい、まずはゆっくりしたいなど、なんとなくイメージがあれば、そのイメージを具体的にするとこういう感じなのか!と知ることが出来ます。
イメージがはっきりしない場合でも、色々な事例に触れることで、自分の気持ちが整理出来ます。
そして、読んでいると、女子のリタイア後って楽しそうだなと思えます。
今まで当たり前のようにやってきたおしゃれや、女子旅や、ランチ会などの経験が自分時間を楽しむための力になることを教えてくれます。
ここに紹介されている方たちは、2015年当時60歳前後です。なので、2021年の現在50歳〜60代の方にはぴったりだと思います。しかし、それより若い世代が60歳になる頃にはまた少し違った考え方、暮らし方がある気がします。
読んで考え学んだこと
自分で決めることが出来る
この本に登場する女性たちは、男女雇用機会均等法がない中で就職し、キャリアを形成し、育児休業法がない時期に子育てをしています。強い気持ちがなければ働き続けることは難しい時代だったと思います。
そうやって強い気持ちで働いてきた会社を定年退職することは人生の大きなイベントです。
もっと昔ならば、退職後は仕事をしないというのも当たり前の選択肢だったと思いますし。しかし2017年頃はそうではありません。
退職後に仕事をすることも出来ます。仕事をしないということも出来ます。様々な生き方を選べるようになりました。
この定年退職という大イベントをさかいに、自分はどうしていくのかを考えないといけません。
自分で決めることが出来る!これはとてもうれしいことです。
ランチセットのメインが和風ハンバーグと決められているより、和風バンバーグ、チキン南蛮、サバの味噌煮、鯛のソテーのどれかから選べる方がテンションがあがります。
でも、実際に選ぶとなると迷います。自分が今食べたいと思ったものを選べばいいだけなのに、そのお店のおすすめや、友達が何を選んだかが気になって、結局なかなか決められない。サクッと決めるのは難しい!
定年後の選択は、ランチのメニューに迷うのとは規模が違いすぎますが、選べるということは、悩ましいことでもあります。
また、現在は女性が働きやすい環境が整い、会社も時短勤務制度を設けるなど育児と仕事が両立できるようになり、仕事は続けやすくなっています。定年後の再雇用制度でさらに長く同じ会社で働ことが出来ます。
しかし、会社の経営状況によっては人員削減の対象になるかもしれません。会社の人事制度がかわり給料アップ、キャリアアップへの期待はできないかもしれません。
そして、早期退職制度もどんどんと導入され、早くやめることも出来るようになります。
これからは、65歳まで働けるし、早くやめることも出来る。60歳の定年まで働くことはもう一般的なことではなくなります。
私達は定年退職の日も、その後の生き方も自分で決めることが出来てしまいます!
正直自分で決めるのって本当に難しいです。
専門性が必要!
「50歳くらいから資格をとるなりしてスペシャリストにならないといけない。」とこの本で紹介されている方が言っています。この方は、大手IT関連企業で働き、定年後に新たに仕事を探したが、働ける所を見つけるのに大変苦労したという方です。
確かに。今働いている会社をやめ、新しい職場を見つけるためには、私はこんな仕事が出来ます!とアピールしていくしかありません。その時に、専門性は職場が違っても価値があるし、アピールしやすい。
といっても、会社勤めも長くなると、その会社専用の力ばかり身についてしまいます。
今いる会社の様々な情報、仕事の流れはわかる。わからない時は誰に聞けばいいかもわかる。「あれ!あれ!こんな時に使う、あれ!」なんてことを言われても、なんとなく何の事を言ってるのかわかる。
これは今いる会社ではまあまあ重宝される力ですが、転職したらほとんど価値がありません。
必要なのは社会に求められる専門性です。
「新しい働き場所を探す時、専門性は強い見方になります!」
はっきり言っちゃうと
「専門性がなければ、新しい働き場所は見つかりません!」
ってことなんだと思います。
正直、そんなのないよなぁ〜。今から新たに身につける??
って、今更ですが専門性って???
稼げる特殊なスキルの事か!?
プログラミング?デザイン?保険?投資?出来そうにない・・・。今からなんて出来そにない・・。だんだんテンションが下がってきます。
でも辞書的には、稼げるスキルに限定してないようなので・・・
「得意な事」みたいな理解でもいいのかもしれない!
なんて記事がかければ、それこそ私の専門性なのですが、残念・・・。私にはそんな力はありません。
ということで、専門性という難しい言葉を忘れ「自分の得意なこと」を探してみようと思います。
それが社会に求められているのか?それで稼げるの?かという事はまた今度考えることとします♫
「定年女子」読んで考え学んだことまとめ
本の説明
書かれた当時(2015年)60歳前後の女性にインタビューをしていて、彼女たちがどんな風に働いてきたか、その会社をリタイア(退職)することで何を感じ、何を考えたか。そして今、何をしているかが実例でよくわかります。
新たにバリバリ働ける場所を探す人、仕事はせず楽しみを見つける人、他にもボランティア活動で充実した生活をおくる人、リタイアという区切りはなくパート勤務を続けている人と幅広く、様々な生き方、楽しみ方を紹介しています。凄すぎて自分には無理そうと思うケースもいくつもあります・・。
読んでいると、リタイア後って楽しそうだなと思えます。今まで当たり前のようにやってきたおしゃれや、女子旅や、ランチ会などの経験が自分時間を楽しむための力になることを教えてくれます。
ここに紹介されている方たちは、2015年当時60歳前後です。なので、2021年現在50歳〜60代の方にはぴったりだと思います。しかし、それより若い世代が60歳になる頃にはまた少し違った考え方、暮らし方がある気がします。
読んで・考え・学んだこと
2021年の今、40代半ばの私。
定年のタイミング、定年後の生き方を自分で決めることが出来ます!
新しい働き場所を探す時、専門性は強い見方になります!
私の定年後、もしかしたらあまり考えなくても、なんとかなっていくかもしれません。でも、そしたらそんなに楽しくないのかも。
だから、楽しくなるようにちゃんと考えよう。
それに、自分でデザインしていく人生って、ちょっとかっこ良いです。
まあまま時間がある今だから、丁寧に考えてみたいと思います。
立派な定年女子になろう!よし。もう一冊、読もう!
ここまで読んでいただきありがとうございました。